ウォーキングスクールバスの仕組
ウォーキングスクールバスで登校する児童たち
オーストラリアのメルボルン市は、自動車利用の削減を目的として、児童がボランティアに引率されて徒歩で登下校する「ウォーキングスクールバス事業」を行っています。この事業は、ヴィクトリア州健康局の協力と、YMCAへのコーディネート委託によって行われています。
ウォーキングスクールバスは、ボランティア1人に対して児童は8人までという制約のもと、「運転手」と「車掌」を含む最低2人以上のボランティアによって定めたルートを通って運行されます。各家庭は、登校時に児童を待ち合わせの「バス停」に連れて行き、下校時に「バス停」から連れて帰ります。実施頻度は最低週一回となっていますが、回数や実施方法については、参加者やボランティアの状況に応じて行われます。
このウォーキングスクールバスは、健康や環境、安全面においてもメリットがあり、コミュニティーの結束にもつながります。1993年に初めてオーストラリアで行われたこの事業は、多くの地域に広がり、現在ではアメリカ、イギリス、カナダ等でも行われるようになっています。
地域ボランティアの協力
ウォーキングスクールバスにおける運営手順の策定やマニュアルの用意はメルボルン市とYMCAが協力して行っています。用意にあたっては、個人傷害保険と公共責任保険の用意や道順と時間の調整、ルートの安全性調査、「バス停」の選定等様々な準備が行われました。更に実行時においては、ボランティアや両親、学校へのアドバイスといった事務的支援も行っています。これらを含め、2003年から3年間でこの事業に対して市が投じた予算は11,000豪ドルとなっています。
一方、この事業に欠かせないのが地域のボランティアの人たちによる協力です。父兄や、スポーツクラブの会員、中高生、退職者などが、引率ボランティアになります。ボランティアスタッフになるためには、警察審査と市やYMCAによる必要な研修を受けた上でYMCAのボランティアとして登録することが必要であり、義務を怠ったボランティアやガイドラインに従わなかったボランティアは除名されるという厳重な制度のもと運営されています。
また、この事業はボランティアによる高い意識が必要とされるため、意識向上のためのモーニングティーや報償などの企画も併せて行われています。
このように、市とYMCA、学校、両親、ボランティアの協力により、事業開始時2003年から3年間で実施校は3校、利用児童数は150名にのぼりました。