目指す将来像
【SCMによる無駄の徹底排除】 原材料や部品の調達から製造、流通、販売という、生産から最終需要(消費)にいたる商品供給の流れを「供給の鎖」(サプライチェーン)と捉えて、ビジネスプロセスの全体最適化を図る「サプライチェーンマネジメント(SCM)」が普及するようになります。SCMでは、高度情報通信技術によって供給網に参加する企業間で情報を相互に共有・管理することで、需要と供給が同期化され、在庫・仕掛品の削減が進んでいきます。その結果、不必要な生産が抑えられ、産業が効率化されます。
【鉄道・船舶輸送インフラの充実と繋ぎ目のない流通網の実現】 主要な拠点間を結ぶ区間では船舶や鉄道による大量貨物輸送網が充分に整備され、さらに主要な荷捌き拠点にて異なる輸送手段間の貨物がスムーズに受け渡しできるように制度やインフラが構築されます。その結果、低炭素かつ効率的な長距離輸送ネットワークが実現されていくでしょう。
【高効率自動車による域内輸送】 域内輸送はモーター駆動もしくはハイブリッド貨物自動車が中心となっています。また、情報通信技術の進展によって共同配送が進み、積載効率が大幅に向上していきます。大都市中心部では台車による集荷・配達も行われるようになります。
ステップ
【SCM推進期】
SCMを導入して供給プロセスの全体最適化を実現するためには、関連する全ての企業が協力し必要な情報を共有することが重要です。しかし、SCMの導入コストが高いことや企業内情報を社外に提示することに抵抗がある企業が多いため、参加企業が限定的となり十分な効果が得られていない場合が予想されます。
そこで様々な事例に対し、SCMの投資対効果を評価して、その優良事例を紹介すると共に、SCMをネットワーク経由で共有利用するシステム等の導入を後押しし、参加企業の投資費用の分散化・低廉化を進めることで中小企業でも参画できるようにしていきます。また、日本で開発した企業内/企業間の電子情報の規格を国際標準化させる戦略的な取り組みを実施し、システムコストの低減とSCMの普及促進につなげていきます。
【インフラ整備期】
国際基準(海上コンテナ)と同じ寸法の鉄道用の新コンテナを開発・統一化するなど、複数の輸送機関間の障壁をなくすような制度を整備します。
同時に、貨物路線や貨車ターミナルの増設、港でのコンテナ搬送用台車や空コンテナの置場の拡充などといった必要インフラの設備に対して公的補助を行うと共に、鉄道や船舶の固定資産税の減免制度などを導入することで、幹線貨物輸送インフラのネットワーク構築を後押ししていきます。
【低炭素ロジスティクス実現期】
トップランナー制度の対象範囲を自動車のみならず全ての輸送機関へと広げ、各貨物輸送機関の高効率化を継続的に行っていきます。
そして、輸送用エネルギーに対して炭素含有率に応じた課税を行うことで低炭素型の貨物輸送機関の競争力を高めます。加えて、各輸送機関の輸送枠の空き状況やCO2排出量、コスト、リードタイム等がリアルタイムで閲覧できるシステムや、エコレールマークなどのラベリング制度の普及を支援し、貨物輸送に伴う温室効果ガス排出の「見える化」を推進させ、荷主が輸送機関を選ぶための情報を容易に入手できるようにしていきます。
タイムライン
出典:2008年5月 / 低炭素社会に向けた12の方策(「2050日本低炭素社会」シナリオチーム(独)国立環境研究所・京都大学・立命館大学・みずほ情報総研(株))