目指す将来像
【太陽が支える暮らし】
低コストの太陽電池が、全ての住宅やビルに設置されるようになります。また、住宅や建築物の美観を損なわないようにデザインにも工夫を凝らすことで、屋根や壁面、窓など、様々な場所に設置することが可能となります。
さらに、住宅や建築物だけでなく、遊休地等を利用して売電目的で太陽電池が設置されるケースも多く見られるようになるでしょう。
【地域のシンボル風力発電】
陸上では海岸沿い、高原、農牧地などを中心に、風況のよいところでは大型風車の設置が当たり前になります。生態系などへの影響にも十分配慮した上で導入され、地域によっては、風車が地域のシンボルとなるところも出てきます。
洋上には比較的大型の風車で構成される大規模な洋上ウィンドファームが設置され、そこでは水素のような蓄積や運搬が可能なエネルギーに変換されて定期回収が行われるようになります。
【再生可能エネルギーの地産地消】
太陽光発電や風力発電などにはエネルギー貯蔵設備が併設され、安定的な電力供給が可能となります。発電電力の一部は水素製造に利用され、家庭やオフィスの燃料電池に供給されたり、燃料電池自動車に供給されたりするようになります。
また個別のエネルギー貯蔵システムにとどまらず、太陽光、風力、バイオマス、水素、地熱、中小水力等を組み合わせて電力需給調整を行う電力供給システムを導入している地域もでてきます。
これらの結果、再生可能エネルギーによる発電量は総電力需要量の15~20%程度を占めるようになる見込みです。
ステップ
【コスト対策期】
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー普及にあたって、当面の最大の課題であるコスト低減に向けて、各種技術開発プログラムを強化します。
これらのコスト低減のためには、大量生産によるスケールメリットも有効であるため、電力会社による再生可能エネルギーによる発電電力(あるいは余剰電力)の買取価格の引き上げを行い、導入年における電力買取価格を一定期間(15~25年間等)保証して導入を後押していきます。電力買取価格は各種システムコストの低減の見込みにあわせて年々低下させていきますが、再生可能エネルギーの発電事業者が設備投資をしやすいように長期的な買取価格の変化を明示した上で実施します。
一方で、再生可能エネルギーの大量導入に伴って系統電力の電圧や周波数などに影響がでる可能性があるため、エネルギー貯蔵装置の技術開発を促進させ、安価で小型・高性能の電力貯蔵技術・水素製造技術の確立を促していきます。
さらに、電力会社に対しても、送配電線の増強や各種系統電力品質維持のための設備投資に対して一定の補助金を導入すると共に、電力品質を維持するために追加的に発生した費用を電気料金などを通じて消費者に転嫁することに対して、国民に理解が得られるよう広報活動を行っていきます。
【自律システム普及期】
太陽光発電や風力発電などの新規導入にあたっては、エネルギー貯蔵システムと併せて導入することを義務づけます。
その一方で、エネルギー貯蔵システムの導入に対しては補助金制度を実施し、系統電力への影響を最小限にとどめた自律型の再生可能エネルギー発電システムの普及を後押ししていきます。
【システム統合期】
太陽光発電や風力発電に併設された個々のエネルギー貯蔵システムでの対応に加え、地域のエネルギー需要や気象条件を踏まえて、他の分散電源や水素エネルギーシステムとの最適な組み合わせを検討します。
さらに、地域内でのそれらの電力融通が実施できるように電力供給ネットワークの構築を支援することで、全体としてのシステムコスト低減に貢献していきます。
タイムライン
出典:2008年5月 / 低炭素社会に向けた12の方策(「2050日本低炭素社会」シナリオチーム(独)国立環境研究所・京都大学・立命館大学・みずほ情報総研(株))