夏も冬も快適!“芝生の屋根”

取材先 : 伊藤工業株式会社 青々とした屋根は、5層構造、厚さ30cmからなる“芝生の屋根”。これなぜ、屋根に芝生が…。この“珍”百景は秋田市雄和の伊藤工業株式会社に行けばいつでも見ることができる。この芝生屋根が、低炭素社会づくりにつながる3つの効果を発揮できる技術だ。

「実はこの芝生の屋根が断熱材となって、温室効果ガスを削減する仕組みになっているんです。」と語るのは、伊藤工業・建築部の伊藤和樹さん。この「芝生屋根」にしたのは平成15年のこと。「5層構造は、芝生・客土(赤土)・川砂利・塩化遮断シート・塩化ビニールシート。どこでも手に入る素材を使い、社員の手作りにこだわりました。厚さがあるので断熱効果が期待できるんですよ。」
しかし、自然の芝生にどのような温室効果ガス削減効果があるのか?伊藤工業に「芝生屋根」を勧めた筑波大学の安藤邦廣教授に伺った。「芝生の屋根に含まれる水分が蒸発するときの冷却効果で夏は快適に、冬場は五層の芝生による断熱効果と高気密性で内部の熱を逃がさない効果があります。」実際に計測したところ、7月には外気温23℃の日は室内温度19.5℃。夏場を通して5~8℃くらいの違いがあるということ。これは、まさに自然のエアコン!確かにCO2削減につながり、そして、芝生にはさらに低炭素社会づくりに役立つ3つの効果があると安藤先生は言う。それは、(1)高断熱・機密性なので冷暖房要らずでCO2削減、(2)土と芝生を盛るだけなので、屋根の材料の加工にかかるCO2削減、(3)しかも、植物(芝生)はCO2を吸収し酸素を排出する。芝生屋根は屋根の上に畑があることと一緒であるが、特に秋田のような雪国は積雪を考えなくてはいけまない。つまり、重量がかなりかかることになるので、設置する場合は必ず専門家に相談することが必要だそうだ。

伊藤工業 事務所屋根 過去写真

伊藤工業 事務所屋根 過去写真

伊藤工業 事務所屋根 近影

伊藤工業 事務所屋根 近影

パーソナリティーコメント: 宇奈月 満

断熱・高気密による温室効果ガス削減と循環社会の研究の現われがこの「芝生屋根」。これはまさに我々が求めている「低炭素社会づくり」に取り組んでいる「ほめられタウン」ではないですか!この芝生による効果は決して新しい“技”ではなく古来から実用されているものなのだそうです。例えば、竪穴式住居や伝統的な民家のかやぶき屋根も同じ構造!縄文の昔から日本の気候と自然をうまく利用した低炭素社会づくりが行われていたのですねぇ。先人の知識と技に改めて敬服します。

ほめられタウン100