カーボンオフセットでエコに一役

取材先 : 第一印刷所 企業活動によって排出されるCO2を吸収するための森林整備に資金を提供しようという、カーボンオフセット事業が新潟県内でも本格的にスタート。新潟市の印刷会社では対象商品の売り上げのうち一定の金額を取り組みに回して、朱鷺の森づくりをサポート。一時は絶滅寸前となった国際保護鳥の野性復帰を支えるカーボンオフセット事業は、まさに新潟県ならではの取り組みといえるが、消費者の理解を得られるかが課題だ。

企業活動や市民の日常生活の中で必然的に排出されるCO2。どうしてもCO2を出さざるを得ない代わりに、それを吸収してくれるための森林整備に資金を提供して相殺、すなわちオフセットしようというのがカーボンオフセット事業だ。新潟県では、こうした資金を朱鷺の棲家となる森づくりに使おうという新潟県独自のモデルを各企業に提案している。
こうした動きは環境省も賛同。というのも、最後の純国産の朱鷺「きん」が死んだことで一時は絶命寸前となった佐渡の朱鷺が、中国から朱鷺のつがいを借り受け、人工繁殖を繰り返し、100羽を超える数にまで増えた。さらに、施設から朱鷺を放して自然界で生活させる、野生復帰の取り組みもスタートした。
しかし、豊かな自然がなければ、朱鷺と人間の共生も絵に描いた餅になる。そのため、森林の整備は新潟県にとって、喫緊の課題なのだ。行政も県内企業のサポートに期待。そのラブコールを受けた形で新潟市の印刷会社、第一印刷所もカーボンオフセット事業に名乗りをあげた。出版する本を対象商品にして、販売代金の売り上げの一部を取り組みに回している。ちなみに、印刷に使われる機械の消費電力からCO2の排出量を計算すると一冊あたりおよそ140グラム。それに応じて、14円が朱鷺の森の整備資金に提供される。
その分、企業の利益は減るのだが、企業サイドからみれば、社会貢献の一環である上、大局的にみればマイナスにはならないと見ているようだ。たとえば、地域が活性化しないと商店も活性化しないし、観光客も少なくなり、ひいては印刷物もマーケットも縮小となってしまう・・・そんな見方もできるようだ。
新潟県がこうしたカーボンオフセット事業に取り組むのは、これが初めて。企業にできるだけ売り込もうと、説明会の会場も朱鷺のかつての生息地である佐渡市新穂正明寺に設定したり、朱鷺の野生復帰ステーションの視察を行なったりと、あの手この手でアピール。朱鷺に優しい森作りは、そのまま人間にとっても住みやすい環境といえるだけに、新潟版カーボンオフセット事業の成果が注目される。

カーボンオフセットでエコに一役

カーボンオフセット事業に取り組む新潟市の第一印刷所

商品の売り上げから資金提供

対象商品の売り上げの一部を森林整備の資金に提供

パーソナリティーコメント: 石塚 かおり

安全でおいしい農産物を食べたいという地産地消の意識と、環境にやさしいエコ農業の取り組みがつながるなんて、とても素敵なことですね。旬のものを味わう時に、少しでも低炭素化に貢献している思いもかみしめたいと思います。

ほめられタウン100