
取材先 : NPO法人せきれい 日本三大美林である「天竜杉」。この天竜杉の間伐材や端材を使った割り箸を作っている作業所、「せきれい」を取材した。 間伐材や端材を使うことは、割り箸のために新たに樹木伐採をせずに済み、また間伐材を放置しないことは、土砂崩れなどの災害を防ぐことにも役立つ。
天竜区といえば、天竜杉で有名な緑豊かな浜松の北部に位置する場所。そんな天竜杉の産地で、NPO法人「せきれい」では天竜杉の間伐材で作った割り箸を作っている。作っている割り箸は天竜杉の間伐材でできている。
最近のエコブームで“マイ箸”を使う方が増え、使い捨ての割り箸はもったいないと思っている方も多い。しかし間伐材を使う割り箸は、意味がある。何故ならば、充分な栄養分や日照などで森の木を育成・再生していく為には細い木を間引いていかなければいけないが、日本の間伐材はたいへん安い値段でしか売れず、さらに加工していくとコストがかかるため、実際には山林に放置したままにされることも少なくない。間伐材が放置されたままだと植物が育たなかったり、地盤が弱くなるなどの悪影響もある。
この地区では60年以上前から天竜杉の間伐材で割り箸を作っていた。しかし安価な中国産の割り箸におされ、地元の工場が撤退してしまった。この作業所では、2008年の6月からそれら撤退した工場を利用して再び間伐材の割り箸を作り始めた。高級品である天竜杉の割り箸は軽く、香もいい。環境にもいい間伐材の割り箸工場は、さらに、実は障害者施設でもある。景気がよかった頃に自動車の工場などで働くことができた障害を持った人達は、不況で職を失ってしまった人も少なくない。この施設はそんな人たちの新たな雇用の場としての役割をにないつつ、地元の産業のPRにも貢献している。
また生産工程では、中国産のもの様に漂白されていないために色もまばらだが、薬剤を一切使わず熱風乾燥で殺菌するため安心・安全な割り箸である。値段の上では中国産にかなわないが、ラベルなどで「天竜産」とわかるような工夫を加えていき、多少高価でも国産の間伐材の割り箸を使うことの意義をPRしていくのが課題である。
作業所風景
割り箸を選別して包装する作業
天竜杉の間伐材で出来た割り箸
薬品を使わず熱風乾燥した割り箸。香りもいい。
パーソナリティーコメント: 鉄崎 幹人
子供たちに「森の木を切るのはいいことですか?悪いことですか?」と聞くと、大半の子が「悪いことー」と答えます。でもそれ実は間違いで、正しくは「日本人の生活のために、外国、特に熱帯雨林などの木を過剰に伐採することは悪いこと。 けれども日本の人工林を伐採して間伐材として利用することは良いことなのです。 マイ箸ブームによって、割り箸を使うことが悪いことの様に思われていますが、それはほとんどの割り箸が安い中国からの輸入品を使っている為で、むしろ日本の森の間伐材の割り箸はどんどん使い、森の再生と林業の復興を促進させるべきなのです。 ただ、日本の割り箸の価格は中国の2倍。日本の森を救うには、やっぱりお金がかかってしまうのですが、でもそれは明日の森作りのためには必要なお金なのです。



































